ぎあすはじめてものがたり

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本文見本その2

「黙っていろC.C.!」
「常々思ってはいたのだぞ、お前はいつも、着終わったその衣装を洗いもせずまして干しておくことも
せずそのまま突っ込んでいただろう。いつかは起こりうる事態だと私は憂慮していたのだがな。何しろ、
そのスーツケースは『絶対に触るな』とお前に言われていたし、素直で可愛い私としてはその言を忠実
に守って指一本触れることなく」
「ええい煩いっ!黙れと言っているのが―――」
 やり場のない怒りを露に立ち上がった、そのとき。
「まあ、お兄様、何かあったのですか?随分と大きな声がしましたけど」
 部屋の入り口から気遣わしげな声が掛かって、うっと言葉を飲み込む。ナナリーだ。
 車椅子に座って小首を傾げている。
 俺は咄嗟に平静を取り繕った。

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